時間の軌跡
心の映像は、個人の生涯を通じて絶えず記録され続け、蓄積されます。このような連続的な記録は、「時間の軌跡」と呼ばれます。時間の軌跡は、その人の過去の極めて正確な記録です。
大まかに言えば、仮にある映画のフィルムが三次元で、かつ57の知覚を含み、そのフィルムを見る人に強い影響を及ぼすことができるとしたら、時間の軌跡とはその映画のフィルムのようなものです。
心は、このような映像を使って生存に役立つ決定を下します。何かに取り組んで失敗したり間違いを犯したりすることはあっても、心の本来の動機は常に、生存することです。
だとすれば、心が命じる行為がすべて生存を高める結果になるとは限らないのはなぜでしょうか?
時に合理的な理由もなく恐怖を覚えたり、自分の能力を疑ったり、状況から見て何の脈絡もない否定的な感情を抱いたりするのはなぜなのでしょうか?
こうした問いへの答えを得るには、心の構成要素を理解する必要があります。