はじめに:
なぜ予防が重要なのか

一般にばい菌と呼ばれる有害な細菌やウイルスによって、引き起こされる病気もあると言われています。 ばい菌によって引き起こされる感染は、風邪などのように軽症である場合もありますが、インフルエンザ、食中毒、連鎖球菌性咽頭炎などのように、重症であったり、生命を脅かす場合もあります。

ばい菌は、例えば咳(せき)、くしゃみ、そして握手などによって人から人へと広がることがあります。 ばい菌はまた、例えばカウンターやペットのような、感染した人が触れたものに触れることによって伝染する場合もあります。 感染した食べ物や飲み物を取ることも、ばい菌が広がるもう1つの経路です。 感染症を媒介する昆虫や他の動物に接触することで、ばい菌が伝染する場合もあります。

その病気が広がることは、未知のデータではありません。 しかし、知られていないかもしれないことは、潜伏期間—つまり兆候が現れて、人が病気であることに気づく前の期間—に他の人に感染する可能性があるということです。 したがって、病気が広がるリスクを低減するために、常に安全予防措置を取る必要があります。

この小冊子に記載されている基本的な指針を実施することで、病気がそもそも発生しないようにすることができます。

健康全般

あなたの身体は生来、ばい菌や環境にある毒素と戦います。 病気からあなたの身体をさらに保護するために、以下の予防措置が役立ちます:

  1. 十分な睡眠を取る。
  2. 栄養価の高い食事を通常の食事で取る。
  3. 定期的に運動する。

個人の衛生措置

個人の衛生措置を適切に継続することは、ばい菌の広がりを防止し、伝染性の病気の感染を防止する効果的な方法です。

手を洗う

  1. 手を洗う。
  2. 手洗いは、ばい菌の広がりを防ぐ最も有効な方法の1つです。 手を定期的に洗ってください。以下の場合は特にです:
    1. a. 鼻をかんだり、咳(せき)をしたり、くしゃみをする
    2. b. トイレを使う
    3. c. 食べ物の調理前、調理中、および調理後
    4. d. 食事の前後
    5. e. 病人を介護する前とした後
    6. f. 切り傷や外傷の治療前と治療後
    7. g. ゴミを処理した後
    8. h. 動物、その飼料や排せつ物に触れた後
  3. 手を洗うときは、せっけんとお湯を使用してください。 手を20秒以上十分にこすり、それからすすぎ、清潔なタオルを使ったり空気乾燥によって乾燥させてください。 タオルを使って蛇口を締めてください。
  4. 手の消毒用ローションを使う。
  5. 手の消毒用ローションは使用できますが、手洗いの代わりにはなりません。 それは手洗いした上にさらに使用したり、せっけんと水が利用できない状況で使用したりします。 アルコール含有量が60パーセント以上の手の消毒用ローションを使用してください。
  6. 個人の身の回り品の共有を制限する。
  7. ばい菌を広げないように、フォークやスプーン、はし、飲用グラス、カップ、あるいは皿を共有してはいけません。 同様に、タオル、寝具、くし、歯ブラシ、カミソリ、その他の個人の身の回り品を共有してはいけません。
  8. 顔を触らないようにする。
  9. あなたの皮膚はばい菌に対する障壁として機能しますが、あなたの目、鼻および口はより傷つきやすいのです。 顔に触れたり、食事をしたり、飲んだりする前に、手を十分に洗ってください。
  10. 咳(せき)やくしゃみをするときは、口や鼻を覆う。
  11. あなたが咳(せき)やくしゃみをする場合、潜在しているかもしれないばい菌が、空気を通して移動するのを防ぐために、ティッシュや肘の内側でしてください。
  12. 病人を避ける。
  13. 病人との接触を避け、その人が回復し、症状がなくなるまで他の人からその人自身を隔離することを主張してください。
  14. 病気の間は、ペットや他の動物と接触しないようにする。
  15. もし病人が自分の猫や犬をなでると、例えば、そのペットの毛にばい菌を残すかもしれません。後にその動物をなでた他の人に伝染することがあります。

掃除と消毒

適切な衛生措置は、伝染性の病気の広がりを防ぐ重要な要素です。 たくさんの人によって使われる場所は、頻繁に掃除し、消毒する必要があります。

汚れは見ることができ、拭き取ることができます。 しかし、空間を掃除することで汚れや他の不純物は落とせても、表面にいるかもしれないばい菌すべてが掃除だけでなくなることはありません。

消毒により、目に見えないもの—細菌やウイルスなどの病気の原因となる微生物—が除去されます。 ですから、表面を掃除したら、適切な衛生措置として、多くの人が触れるところを消毒することは重要です。

消毒に使用する製品

スプレー・ボトル

  1. 表面を消毒するために、過酸化水素などの標準的な殺菌剤を使ってください。 3パーセント(一般家庭向け)から7.9パーセントの濃縮したものを使ってください。
  2. 別の効果的な殺菌剤は、エタノールや消毒用アルコールです。 アルコールを少なくとも70パーセント含んだ製品を使ってください。 アルコール含有量が90パーセント以上の製品は、ウイルスを殺す前に揮発してしまうので、使ってはいけません
  3. 冷たい水1クオートあたり1/12カップ(ティースプーン4杯分)の漂白剤を入れた溶液(1リットルの冷水につき20mlの漂白剤を入れたもの)を使用することもできます。 漂白剤の溶液を準備する際は、容器に書かれた漂白剤の使用期限が切れていないことを必ず確認してください。
  4. 注意:他のどんな洗浄液も水以外の液体も、決して漂白剤に混ぜてはいけません。
  5. 殺菌剤の使用方法については、表面に放置する時間を含め、必ず製造元の指示を読み、それに従ってください。

消毒する場所

  1. 使用頻度により1日に数回、あなたの家や職場の中で、多くの人が接触するところと人が頻繁に行き来する場所を、掃除して消毒する:

    • 子どもたちのいるところ
    • ドアの取っ手
    • 階段の手すり
    • カウンター
    • 電話
    • 机の上
    • テーブル
    • 椅子の肘掛け
    • その他の多くの人が頻繁に接触するところ
  2. 浴室とトイレを消毒する:

    • ドアの取っ手
    • 洗面器周辺
    • シャワー装置
    • 便器
  3. もし移動に自動車を使用している場合、以下を消毒する:

    • ハンドル
    • ドアの取っ手
    • その他の頻繁に接触するところ

病気やその症状の処理

病気になったり、病気であることを示すような兆候がある場合は、他の人との接触を避けて、必要に応じて適切な医療を求めるようにしてください。

隔離

隔離とは、他の人にばい菌がうつらないようにあなた自身を離しておくことを意味します。

あなたが病気のとき、あるいは伝染性の病気の疑いがあるとき、他の人との接触を制限してください。 もしそうしなくて済むのであれば、仕事に行ったり外出したりしないでください。

あなたが住居を共有している場合、自宅において他の人へのリスクを最小限に抑えるための対策を講じることができます:

  1. 別の部屋で寝る。
  2. 家族の他の人たちとは別の浴室とトイレを使う。
  3. 家でみんなが使う場所を避ける。
  4. ペットを避ける。
  5. あなたの洗濯物を他の人たちの洗濯物とは別にして洗濯する。
  6. 使い捨ての食器を使う。

大流行
注意

あなたの地域で感染症が大流行している場合は、家や職場で追加の予防手段を取る必要があります。

人々との接触

感染症が大流行している間は、以下のような接触を含む他の人との物理的な接触を避けてください:

抱きしめる
抱きしめる
キス
キス
グータッチ
グータッチ
ハイタッチ
ハイタッチ
握手
握手

社会距離戦略

社会距離戦略

2メートル

細菌は咳(せき)やくしゃみで広がり得るので、病気が大流行しているときは、あなた自身と他の人々の間に最低でも2メートルの距離を保つことが推奨されます。

他の人たちとコミュニケーションを取っているとき、あるいは食事中やその他の社会生活の場面で一定の距離を保つことは、あなたと他の人たちを病気から守るのに役立ちます。

フェイス・マスク

フェイス・マスクは、病人が話したり、咳(せき)をしたり、くしゃみをするときに、ばい菌の広がりを抑えるのに役立つでしょう。 このマスクを付けることで、病人は他の人に病気を広げるのを防ぐことができます。

もしあなたが伝染性の病気、あるいはその疑いがあるなら、フェイス・マスクを着用してください。

なぜなら、あなたが気づくことさえもなく、あるいはどんな兆候も示すことなく感染していることもあり得るので、ばい菌の広がりを減らすために、あなたが高齢者や健康上の問題を持つ人の周りにいるときは、常にフェイス・マスクを着用するべきです。

あなたが感染者に接触しそうな場合も、フェイス・マスクを着用してください。

マスクにはもう1つの目的—あなたが口や鼻に触れるのを防ぐのに役立つこと—を果たすこともできます。

例えば、あなたの前に病気の人によって触られ汚染されている表面を、あなたがもし触ったら、ばい菌はあなたの手に付着します。 その後あなたが、あなたの手で鼻や口を触ったら、そのばい菌があなたの体内に侵入し、あなたは感染します。 これがばい菌の広がる主な方法の1つです。

ですから、マスクを着用していると、あなた自身の口や鼻に触れる可能性が低くなるため、マスクは感染の予防に役立ちます。

マスクは、少なくとも1日に1回、あるいは湿ったり、汚れたりしたらすぐに取り替える必要があります。

フェイス・マスクの付け方

  1. フェイス・マスクを付ける前に、せっけんと水で自分の手を洗う。
  2. マスクを点検して、効果をなくしてしまいそうな明らかな裂け目や穴がないことを確認する。
  3. マスクの前面がどちら側なのかを確認する。 マスクの色の付いた面が、あなたから離れた方に向きます。
  4. マスクのどちら側が上になるかを確認する。 もしマスクに、堅くて曲げられる縁があれば、これはあなたの鼻の形にぴったりと合わせることを意図しており、それが上になります。
  5. もしマスクに、頭にフィットする伸縮性のあるバンドがついている場合には、顔にマスクを付けたまま、所定の位置にマスクが固定されるよう、頭の上にバンドを伸ばす。
  6. マスクの底を引っ張り、口とあごにかぶせる。
  7. フェイス・マスクは、使用するたびに廃棄する。 絶対に再使用してはいけません。
  8. 手をよく洗う。

使い捨て手袋

自分の家を清潔で衛生的に保つことはできますが、お店や公共の場に出掛けると伝染のリスクが高まります。

お店のカウンターやガソリンスタンドの給油ポンプなど、多くの人が触る表面は、病気の人があなたの前に触っていたら、汚染されている可能性があります。

使い捨て手袋を着用することは、ばい菌の感染防止に役立ちます。 使い捨て手袋が効果的であるようにする、正しい着脱方法があります。

使い捨て手袋の付け方

  1. 使い捨て手袋を付ける前に、せっけんと水で自分の手を洗う。
  2. 袖口の内側と外側をつまんで手袋を取る。 手袋の外側にできるだけ触れないように注意してください。 もう一方の手を慎重に手袋にそっと入れてください。
  3. 反対の方の手袋を付けるまで、手に付いている手袋の位置を調整しないでください。
  4. 2つ目の手袋を袖口の内側と外側をつまんで持ち上げ、上記のように手袋を付ける。
  5. 手袋に、目に見える裂け目、破れ、穴がないことを確認する。 もしそういったものがあったら、その手袋を外して手を洗い、新しい手袋を付けてください。
  6. それぞれの手袋の袖口を手首に向かって引き、できるだけ多くの皮膚を覆い、手袋を固定する。
  7. もし自分の顔に触ったなら、または手袋が破れているなら、あるいは手袋が汚れたり汚染されているのではないかと疑いを持ったなら:
    • a. すぐに手袋を外して廃棄する。
    • b. 手をよく洗う。
    • c. 新しい手袋を付ける。
  8. 手袋は使用するたびに廃棄する。 絶対に再使用してはいけません。
  9. 手をよく洗う。

自宅と職場における追加の予防措置

  1. 大流行の間は、あなたの家や職場の中で、多くの人が接触するところと人が頻繁に行き来する場所を、いつもよりも頻繁に掃除して消毒する:

    • 子どもたちのいるところ
    • ドアの取っ手
    • 階段の手すり
    • カウンター
    • 蛇口
    • 電話
    • 机の上
    • テーブル
    • 椅子の肘掛け
    • その他の多くの人が頻繁に接触するところ
  2. 頻繁に接触するアイテムや物を消毒することを確実にする:

    • 個人的な電子機器
    • クレジットカード
    • タブレット
    • リモコン
    • キーボード
    • ペン
    • その他の頻繁に接触するアイテムや物
  3. いつもよりも頻繁に、浴室、トイレ、台所、および自動車を消毒する。
  4. 大流行の種類に応じて、使用する特定の殺菌剤の指示を確認する。 特定の細菌またはウイルスを殺す製品を使用する必要があるかもしれません。

自宅を出る時と自宅に帰った時

  1. あなたの地域で大流行が起こっている際には、どうしても必要な場合、あるいは地域の規則で許可されている場合に限り、自宅を出るようにする。
  2. どうしても自宅を出なくてはならない場合は、フェイス・マスクと使い捨て手袋を着用する。
  3. 公共の場では他の人との距離を保つ。
  4. 自宅に再度入る前に、以下のことを行う:

    • a. 靴を脱いで外に置いておくか、除菌剤をスプレーする。
    • b. マスクと使い捨て手袋を外して廃棄する。
    • c. 新しい手袋を使用して、外出時に使用した物—鍵、クレジットカード、財布など—を除菌する。
  5. 手袋を廃棄する。
  6. 手をよく洗う。

地域の規則
および指針の順守

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もし当局が伝染性の病気が広がるのを防止するための地域の規則、予防措置、または手順を発行した場合、その実施中は、それに従ってください。

まとめ

この小冊子の指針と予防措置に従うことで、あなたは病気の広がりの防止を促進することができ、健康的な環境を維持することができるのです。



ここで提供されている情報は情報提供のみを目的としており、医師からの専門的な助言に取って代わるものとして解釈されるべきではありません。 質問がある場合は、必ずかかりつけの医師や、資格を有するその他の医療従事者に助言を求めてください。


用語解説

ウイルス:通常の顕微鏡では見ることができないほど小さい、感染する身体の病気の源。 それは通常の風邪やより深刻な病気を人体に感染させる。

衛生措置:健康を維持するために必要な、清潔で健康的な実践のこと。

エタノール:発酵させた穀物から作られるアルコールの一種。 ばい菌や細菌を殺すことを含む、多くの使用法のある、刺激性のある臭いを持つ無色の液体。

隔離する:病気が広がらないように、病気を持つ人を他の人から完全に引き離すこと。

過酸化水素:無色透明の水のような化合物で、病気を引き起こす微生物を殺すのに使われる。また、何かの色を薄くしたり、抜いたりする漂白剤としても使われる。

感染:伝染性があり、ある人から別の人にうつることができること。

細菌:非常に小さな有機体で、顕微鏡でしか見ることのできない1つの細胞からなる。 細菌は人間の身体の内側や表面も含め、ほとんどどこにでも存在する。 消化を助ける細菌のように有益なものもあれば、 虫歯や病気を引き起こすように悪影響をもたらすものもある。

殺菌剤:細菌や他の微生物を殺す液体の化学薬品。

食中毒:有害な細菌に汚染された食品を食べることによって引き起こされる病気。

せっけん:洗ったり掃除したりする目的に使用する物質。 それは、有機物質でできた固体または液体であり、水と混ざると溶液となる。不要な物質はすべてその溶液に取り込まれ、それが洗い流されるため、きれいになるという結果が得られる。

潜伏期間:感染してから最初の兆候が現れるまでの間の病気の進行の段階。

兆候:ある人が病気を持っていることを示す身体の変化。

伝染性:ある人から別の人にうつることができるということ。

漂白剤:有害な細菌やばい菌を殺すための洗浄に使用される強力な化学薬品。

連鎖球菌性咽頭炎:連鎖球菌と呼ばれる細菌の一種によって引き起こされるのどの感染症。 それは、のどの痛み、発熱、脱力を引き起こす。

追加の資料

ご家庭、および/または生活基盤を支える仕事での使用のためにこの表示をダウンロード
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距離を取りましょう

病気や感染が広がるのを防ぐ効果的な方法は、社会距離を確保することです。

個人的なコンタクト

すべての人の健康と安全のために、個人的なコンタクトは控えるようにしてください。

手洗いの手順

手洗いは、ばい菌の広がりを防ぐ最も有効な方法の1つです。

手の消毒用ローション

手の消毒用ローションは手洗いした上にさらに使用したり、せっけんと水が利用できない状況で使用したりします。